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今だから問われる住まいの在り方
今まで経験のない新型コロナウィルスの拡大により、不便な生活を送っている方も多くいらっしゃると思います。
ご自宅にいる時間が増えたのではないでしょうか。
私たち建築に携わる者として、この度のことでいろいろと考えることがありました。
家を建てること、家を構えることが目標であり、家族の幸せのゴールのように捉える時代がありました。
結婚を機に家族が増え、「どんな間取りの家が暮らしやすいだろう」「リビングは陽当たりをよくしよう」
「子ども部屋はどこにしようか」など家族で考え、話し合ったりするのは、とても楽しく幸せな時間です。
しかし、本当に考えるべきなのは、家が完成してからの過ごす長い時間のこと。
「どのように家族と過ごしていきたいのか」「心落ち着かせる空間はあるのか」など、暮らし始めてからの
日々を意識した住まいづくりが、実はとても大切なのです。
この度のことで、私たちは家の在り方、家で過ごす家族との時間、幸せな住まいの在り方とは何かということを
ますます考えるようになりました。
では、幸せな住まいとはどのような条件なのでしょうか?
地震や台風といった災害から守ってくれる安全、安心。
高断熱、高気密といった快適な空間に必要な性能。
長い間家の中にいても窮屈を感じない開放感、陽当たりの良さ。
こういった性能や機能、空間づくりも幸せな住まいには必要ではありますが、家づくりはこういったことはもちろんであり、
それにプラス、生活を通した日常の中で感じるものだと思います。
自然と家族があつまるリビングの在り方や、孤立することない子供部屋の在り方、住めば住むほど味わい深くなる家具や
床材の在り方、そういった家を構えてから過ごしていく長い時間の積み重ねこそが、家族と幸せでいられる住まいの在り方ではないかと思います。